基礎形成学

背景と趣旨

--いまなぜ『基礎形成学』なのか--

■時代の進展とともにますます多様化・複雑化
“工業化社会”の発展につれて、“情報化社会”の面も大きな発展を遂げてきました。
それで、情報にしても知識にしても、どんどんふくらんで今や情報過多と言われるほどの状態となりました。
そのため、かえって混乱や新しい問題をひきおこす、というような段階にもきています。
そうした中で、物や情報による経済生活にゆとりが出てくると、しだいに、より深いところでの精神的な題材や思考問題などが、幅広い範囲で顕在化・表面化してくることになります。
しかも、当然ながら、そうした題材もまた、他の題材と同様、時代の進展とともに、ますます多様化し複雑化し、
そして高度化していくわけです。
■物事の本質とその“組み立て”、さらに全体像
そうなると、これからは、ますます重要になる 「物事の“大もと(原理・原点・本質など)”とその“組み立て”、そしてそれらによる“全体像”」 ということに関する意識や“考え方”が、いよいよ本当に重要な意味と影響をもってくることになります。
それも、特殊な題材や特定の専門分野の話ではなく、ごく普通の人々の、身のまわりの題材という、平凡な世界での話です。
■学校でも職場や一般社会でも教えてくれない
ところが、こうした件に関する最重要のポイントについては、学校でも職場でも一般社会でも、きちっと教えてくれません。
また、昔からの思想・哲学・宗教などに登場する難解な内容や表現のままではなく、現代の一般人が身近なところですぐ理解でき、すぐ役に立てられるように“組み立て”を明快に示したものも、世の中に流布されているとは思えません。
そこで、そうした役割をはたせるような内容の「ものの見方・考え方に関する理論」を構築しつつあるわけですが、
それが『基礎形成学』という名前の体系です。
■当学としての根本的な特色と意義
つまり、そうしたねらいに沿って、内容的には、
  1. 何事も“大もと(原理・原点・本質)”からとらえ対応していく――
この切り口を、言いかえると、《基礎・基盤の急所》という趣旨にもなり、これを『基礎』という言葉で代表する
  1. それらを常に“組み立て”の中でとらえ対応していく ――
この切り口を、言いかえると、《全体骨格の構造的な形成》という趣旨にもなり、
これを『形成』という言葉で代表する という点に、まさに当学としての根本的な特色と意義があります。
■「組み立て」とは? 今後の時代での絶大なキー
なお、“組み立て”というところは、もう少し厳密に言うと「構造」ということになります。
要は、孤立・バラバラ・単なる羅列・ただの寄せ集め、…などではなく、あくまで“つながり・配置・配列”などが検討された“まとまり”ということです。
なにしろ、この、「大もと」をめぐる「つながり・配置・まとまり・全体」に関する点は、本来、きわめて重要なことです。
■重視されてこなかったため大いに抜けたまま
ところが、さほど難しくはないにもかかわらず、これまで、世の中全般として、あまり重視されてこなかったため、大いに抜けたままになっていると言っても過言ではありません。 もっとも、だからこそ、これからの時代での絶大なキーポイントになってくるのだとも言えるわけです。 ここで言う「組み立て」とは、たとえば、…

《「組み立て」(構造)の問題として意識におくべき象徴的な基本例》

  1. 右は、左があってはじめて成り立つ
  2. 損をした人がいれば得をした人がいる
  3. 「立場」は複数あって相互に関係をもつ
  4. 手段(計画)は「ねらい」(方向)に対して意味をもつ→手段のない「ねらい」は空論になる
  5. 「協調性」にこだわって何でもゆずると「主体性」がくずれてくる→その逆もある
  6. 競争がなくなると進歩・創造が乏しくなるが、競争が過ぎると調和・協調が壊れてくる→その逆もある
  7. 結果には必ず“因”がある→因は必ず結果に現れる
  8. トラブルや事件では複数の要素が複数種類の関係性をもって絡み合っている
    当然ながら、
  1. システム(しくみ)の関連、“システム思考”の関連などはすべて組立・構造の対象
  2. 計画やそのもとになる分析に関連する題材などはすべて組立・構造の対象
  3. まとまった意見(主張・論)、プレゼンテーションなどはすべて組立・構造の対象
以上のような根底は、一見当たり前の平凡ながら、実は世の中全般にまるで抜けており、しかもその影響は絶大、という性質のものです。 だからこそ、これからの時代において、『基礎形成学』の必要性・重要性がより高まってくる、ということです。