パワーアップリピートシステム

背景と趣旨

■「土台・基盤の要素ほど影響が大」という原理
実力、勝負や成績、あるいは事の成否、…といった点でも、人生の充実と味わい、…といった点でも、何であれ、長期になればなるほど、「土台・基盤のできぐあい」こそが、より大きな影響をもつようになってきます。 これは「パワーアップ」の前提になる“原理”です。 したがって、誰であれ、何であれ、パワーアップをはかるには、「基礎・土台・基盤の要素」を重点的にレベルアップしていくようなやり方を軸におくのが、最も効果的で全体としての成果も大きい、ということになるわけです。 これは、一見手間がかかって遠回りのように思えるけれども、実は、結果で比較すると、結局は最も近道で効率も良い、という点にもつながっていくことになります。
■勝負事の世界では“基礎・基本”が重視される
たとえばスポーツや勝負事のような題材においては、このような“原理”の内容は納得しやすい形で見えてくる場合が多いわけです。勝ち負けがはっきりしていて、その因果関係もある程度とらえやすいからです。 だから、その世界の人々に限らず、一般的にも、それなりに意識されやすいと言えるでしょう。 したがって、この世界では、「基礎」とか「基本」といった用語は十分な重みをもっています。 また、実際にそのへんの要素に対する取り組みや対応についても、かなりの努力が払われます。
■その取り組みは歴然と結果にあらわれる
そして現実に、この世界では、そうしたことの影響は絶大に結果としてあらわれています。 まさに、 「基礎」や「基本」をおろそかにしている人、言いかえれば、いわゆる「基礎や基本のできていない人」は、たとえ、たまたま運良くうまい結果を得る場合があるにしても、結局は長続きせず、全体として見れば、望ましい内容や結果に到達することはとてもできない…、ということです。
■一般の仕事では“基礎・基本”が軽視されがち
ところが、一般の仕事の世界では、そのへんの因果関係がわかりにくい場合が多いせいか、意外と「基礎・土台」「基本」「基盤」といった根底部分の重要性に対する認識が不足しています。 したがって、そうしたところを蓄積していくような対応も努力もおろそかにされている場合が非常に多い、と言っても決して過言ではありません。 そのことは、たとえば「基礎」や「基本」のための強化訓練とか反復練習といった場が、スポーツや勝負事の世界だと、正規のシステムの中にしっかりと組み込まれているのに比べ、一般の仕事の世界ではそうなっていない、…といった点にも象徴されているわけです。
■仕事の根本は長期戦、勝負は土台で決まる
しかしながら、一般的な認識や扱い方がどうであろうと、客観的な実態の方では(少なくとも、長期にわたる題材においては)この“原理”は共通にあてはまるのであって、そのことは、勝負事でも、仕事でも、あるいはそれ以外のすべてにおいても、同様に言えます。 そこで、このことを、もっと簡単に、短いスローガン的な表現で象徴するため、 (長期戦になるほど) 「勝負は土台・基盤で決まる」 などといった言葉も強調しています。
■「表面レベルの基本」と「土台・基盤レベルの基本」
一般ビジネスの世界で「仕事の基本」などという言葉を使うと、どうも、あいさつのしかた・礼儀作法、あるいは報告・連絡のしかた・名刺の使いかた・書類の書きかた、…といった内容の、いうなれば新入社員の段階で教えられる入口の要素みたいなものがイメージされがちです。 もちろん、こうした、いわば“末端的・表面的な基本”というものも重要には違いないけれど、もっと土台の方の、(より深い根底に位置する)基盤レベルの「基本」こそが問題なのです。
■万人・万事に絶大に影響する急所−「大基本」
実は、世の中には、「どんな人にもどんな物事にも共通して、絶大な影響をもたらすような少数の急所部分」というものがあります。 しかも、それらの間には、ひとつの「まとまり・組立・構造」があるのです。
たとえば ・・・
  1. 仕事に対する根本的な考え方…
  2. 基本的な姿勢や心がまえ…
  3. 根幹の思考パターン、大筋の整理方法…
  4. 原理・原則・法則などに関する知識…
  5. 取り組み方の基本的な方法や流れ・手順…
などといった土台に属するものが、身近なところでの、そうした重要例に相当します。 これらは、言いかえれば、「基本のさらに基本」「基盤的な基本」という性質のものになるわけですが、普通に言う「基本」と区別するために、ここでは、これらをあえて 『大基本』 と呼ぶことにしています。
■「大基本」の追求に力点をおく方が効果・効率的
この用語を使って、さきの「勝負は土台・基盤で決まる」というところを言いかえると、 「仕事の優劣・勝敗は“大基本”で決まる」 ということを、再度ここで強調しておきたいしだいです。 以上のような根本から出発して、「基礎・土台・基盤あるいは大基本」に位置する題材に関して(本質的な)考え方を構造的に整理している理論が『基礎形成学』ということになり、そして、それにもとづいて、「力量」をメインテーマとする範囲で実践システムを構築した内容が『パワーアップ・リピート・システム』である、という関係になるわけです。